特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅵ章 高齢者の救急疾患
4.急性冠症候群
吉野 聡史
1
,
大石 充
1
Satoshi YOSHINO
1
,
Mitsuru OHISHI
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科学
pp.785-790
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_785
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Summary
▪高齢者の急性冠症候群(ACS)は,典型的所見を示さないことが多い.胸痛を主訴とする割合は低下し,診断に時間がかかる症例も存在する.
▪心不全,陳旧性心筋梗塞および脳梗塞などの既往は,年齢とともに増加し,ハイリスク症例となり,合併症や死亡率の増加が認められる.
▪高齢者の血行再建術に関して有効性を示す報告はあるが,認知症やADL低下などの患者背景はさまざまであり,個々の症例に応じて治療方針は決定されるべきである.
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