特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅲ章 高齢入院患者の病態評価
4.退院支援において必要な評価
山口 潔
1
Kiyoshi YAMAGUCHI
1
1医療法人社団創福会ふくろうクリニック等々力
pp.680-684
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_680
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Summary
▪退院支援は,予後の予測,機能評価,介護者支援,意思決定支援,社会資源の導入からなる.まず医師は,退院後にどのような病状変化が生じるかを予測する.次に,患者本人のADLや精神状態に加え,患者を取り巻く社会的側面の評価を行う.
▪退院支援は,患者・家族のセルフマネジメント能力の獲得,連携時の引き継ぎエラーの減少,再入院率の低下なども目指したものである.介護者の介護能力の評価や,患者の疾患を引き起こした社会的要因の評価も行う.
▪意思決定支援においては,患者家族の意向やQOLを反映させるとともに,退院前カンファレンスを開催するなど,紹介元や退院後に関連する医療・ケアチームを参加させるよう配慮する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018