特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅱ章 高齢者と老年症候群
8.褥 瘡
-褥瘡の外力制御と湿潤調節による外用薬治療(Furuta Methods)
古田 勝経
1
Katsunori FURUTA
1
1医療法人愛生館小林記念病院褥瘡ケアセンター
pp.655-659
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_655
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Summary
▪褥瘡は治らないという先入観が今も根強い.しかし,その治せない要因が明らかとなった.褥瘡治癒に必要な創環境が整っていないため,そこに注目することで治せる褥瘡に変化する.
▪従来は持続性の圧迫やずれなどが発症要因として注目され,それが褥瘡の予防として考えられてきた.しかし,一旦発症した褥瘡の治療には皮膚の特性が外力の受け方に大きく影響し,治りにくい創環境となる.それが治らない褥瘡をつくってきた新たな要因となり,治癒が困難な状態をもたらしてきた.
▪要因は2点あり,1点目は外力による創の変形から薬剤の滞留が妨げられ,薬剤が効かない状態が生まれる.2点目は適正な湿潤状態を保持するために基剤の特性を活かして湿潤調節を行う.
▪難治性の褥瘡は視点を変え,治癒することで治癒期間を短縮できることが明らかである.その治療法がFuruta Methodsとして海外からも注目されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2018