Japanese
English
投稿 症例
閉塞性肺炎で発見された多発血管炎性肉芽腫症の1例
A generalized granulomatosis with polyangiitis of obstructive pneumonia.
辻 博行
1
,
細井 慶太
1
,
杉山 陽介
1
,
木下 善詞
1
,
閔 庚燁
1
H. Tsuji
1
,
K. Hosoi
1
,
Y. Sugiyama
1
,
Y. Kinoshita
1
,
K. Min
1
1市立伊丹病院呼吸器内科
pp.556-559
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_556
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に 多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)は病理組織学的に ① 全身の壊死性・肉芽腫性血管炎,② 上気道と肺を主とする壊死性肉芽腫性血管炎,③ 半月体形成腎炎を呈し,その発症機序に抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が関与する血管炎症候群に属する疾患である1,2).
胸部CT所見では,両肺野に10個以内の結節影,腫瘤影がランダムパターンで分布することが多く,50%の症例に空洞病変を形成し,CT halo signやatoll signがよく知られている.また,50%で肺胞出血によるスリガラス影や肺胞浸潤影になることも報告されている3).肺野病変だけでなく気道病変を呈し気道狭窄をきたすこともあり4),その際は予後不良である.今回,GPAの気道病変による閉塞性肺炎をきたした1例を経験した.閉塞性肺炎の原因としてGPAはまれではあるが,早期に治療介入を要する病態であり,文献的考察を加えて報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018