Book Review
臨床・画像・病理を通して理解できる! 呼吸器疾患:Clinical-Radiological-Pathologicalアプローチ
徳田 均
1
1JCHO東京山手メディカルセンター呼吸器内科
pp.480-480
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_480
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- 文献概要
呼吸器診療にあたる者として日々困惑するのは,その疾患の種類の多さである.発症機序としても感染,腫瘍,アレルギー性などがあり,また不明の機序によるものも多い.侵される部位として気道,肺実質,肺間質,胸膜,肺血管系などがあり,これらを組み合わせての疾患の数は膨大なものとなる.呼吸器専門医が日常診療を行うにあたって知っておかねばならない疾患数は,粗く分類しても50,少し細かく分類すると100ともいわれる.これらの疾患についてそれぞれその概要を知っていないと,患者を前にして診断にたどりつけず,適切な治療もできない.
筆者は,時間を作ってはいろいろな臨床の研究会に参加した.そこではまず病歴から始まり,臨床データの開示を受けた後,提示された画像をシャウカステンの前に集まって熟読し,またそれについて討論が行われ,最後に病理が提示され,総合討論でまとめられる,という進行であった.そうした場を通じて,疾患についての知識を増やし,臨床医としての引き出しを増やしてきた.近年そのような,実際の症例について臨床,画像,病理が切り結ぶような研究会が以前よりは下火になったことは残念でならないが,その渇きを癒やすような書物が現れた.
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