連載 教えて! レントゲン 胸部単純X線の(得)目付けポイント
第1回 肩の痛みから各科を転々としてきた患者さん
瀧川 奈義夫
1
,
加藤 勝也
2
1川崎医科大学総合内科学4
2川崎医科大学放射線医学(画像診断2)
pp.155-159
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_155
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61歳女性の方です.当院受診までの経緯を尋ねてみたところ,以下のことがわかりました.
✔右肩が痛くて2ヵ月前から整骨院へ通っていたがよくならず,だんだん痛くなるので1ヵ月前に整形外科を受診した.
✔整形外科では肩のX線を撮ったが異常は指摘されず,痛み止めを処方され,骨粗鬆症の疑いで注射もされた.
✔しかし,それでも痛みはひかず,背中も痛くなり右手もしびれてきたため,内臓が悪いのではと思い内科を受診した.血液検査では肝機能も腎機能も異常なかったが,胸部X線で肺がんが疑われるということで紹介された.
✔タバコは1日15本程度,40年間ほど吸っており,咳や痰はずっと前からあった.今回,肺に悪いと思いやめた.
さて,どこが怪しいでしょうか?
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