特集 想定外を想定せよ—病院BCPのバージョンアップ
病院BCP策定後の検証・教育
災害対応を中心としてきた病院のBCPはCOVID-19に対応できたか
小松本 悟
1,2
1藤田医科大学
2足利赤十字病院
キーワード:
BCP
,
Florence Nightingale
,
病院建築
,
スマートホスピタル
Keyword:
BCP
,
Florence Nightingale
,
病院建築
,
スマートホスピタル
pp.799-804
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211764
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■はじめに
わが国では,一般企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)の必要性は製造業を中心に先行的に取り組みが行われてきた.それに遅れて病院のBCPについては,災害が発生した際の医業継続計画として今後さらに重要になるであろうと認識されるようになった.
このような社会的背景や,近い将来地震をはじめとした自然災害が強く予想されることからBCPを策定する病院が徐々に増えてきた.そして,病院のBCP策定に際しては,自然災害だけではなく感染によるパンデミックやバイオテロなどのさまざまなリスクを想定しなくてはならない.しかし,ほとんどの医療機関のBCPは自然災害に対するものが多く感染防御については補足的にとどまっていた.
本稿では災害時活動に重点を置いてきた赤十字病院の立場から,感染症に対する病院BCPの策定について論じる.
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