特集 NAFLD/NASH診療のイノベーション―ガイドラインからパイプラインへ
NAFLD/NASH治療の現状
NAFLD/NASHの薬物治療概論
-~5W1Hで考える~
鈴木 康秋
1
Yasuaki SUZUKI
1
1名寄市立総合病院消化器内科
キーワード:
薬物治療
,
AASLDガイダンス
,
肝線維化抑制
,
抗酸化薬
Keyword:
薬物治療
,
AASLDガイダンス
,
肝線維化抑制
,
抗酸化薬
pp.1345-1349
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1345
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Summary
▪NAFLD/NASHの薬物治療の目標は,肝線維化や発がんの抑制と心血管イベントの抑制である.
▪AASLDのガイダンスでは,肝生検でNASHや線維化を認めた患者が薬物治療の適応である.
▪NAFLD/NASHの薬物治療には,① 肝脂肪蓄積,② 酸化ストレス・炎症・アポトーシス,③ 腸マイクロバイオーム・エンドトキシン,④ 肝線維化の4つのターゲットがある.
▪NAFLD/NASHの治療では,生活習慣の改善以外に確立された薬物治療はいまだ存在しないが,糖尿病非合併例ではビタミンE,糖尿病合併例ではpioglitazoneやGLP-1受容体作動薬,SGLT2阻害薬,脂質異常症合併例ではpemafibrateの有用性が期待できる(いずれもNAFLD/NASHの保険適用はない).
▪obeticholic acid(OCA)など新規薬剤の治験が進行中であり,薬物治療の選択肢は拡大しつつある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018