増刊号 早わかり診療ガイドライン100—エッセンス&リアルワールド
消化器
37 NAFLD/NASH—NAFLD/NASH診療ガイドライン2014
榎奥 健一郎
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
pp.161-164
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226853
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・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は慢性肝障害を呈する患者で脂肪肝を指摘された場合(多くは腹部超音波検査)に疑われる.まず,アルコール性肝障害,自己免疫性肝炎(AIH),原発性胆汁性胆管炎(PBC),ウイルス性肝炎(HBV,HCV),代謝性肝疾患(Wilson病,ヘモクロマトーシスなど)を除外する.
・NAFLD/NASHは特異的な所見・症状に乏しく,確定診断に有用な臨床検査値も存在しない.したがって,過去も含めた肥満歴・飲酒歴,外科手術歴,メタボリックシンドローム疾患,内分泌系の異常,乳癌既往,服用薬物などを詳細に評価することが必要となる.
・NASH/NAFLDに有効性が確立された薬剤はない.食事療法および運動療法による体重減少は肝機能・肝脂肪を改善させ,安全性・費用対効果も高く推奨される.
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