書評
『人工臓器治療の落とし穴』日本人工臓器学会編集委員会 監修
六鹿 雅登
1
1名古屋大学心臓外科
pp.292
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_292
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- 文献概要
JHCO九州病院心臓血管外科の德永滋彦先生,自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部の百瀬直樹先生,大阪大学心臓血管外科の宮川繁先生の3名による編集のもと,日本人工臓器学会編集委員会の監修により発刊された本書は,德永滋彦先生により過去に編集された若手心臓外科医に好評である『心臓血管外科手術の落とし穴』の人工臓器版として誕生した経緯がある.本書を開いてみると,第Ⅰ章に11項目の「人工心肺の落とし穴」,第Ⅱ章に9項目の「PCPS/ECMOの落とし穴」,第Ⅲ章に15項目の「人工心臓(LVAD)植込み手術の落とし穴」,第Ⅳ章に14項目の「人工心臓(LVAD)管理の落とし穴」,第Ⅴ章に7項目の「人工呼吸器の落とし穴」,第Ⅵ章に9項目の「血液浄化治療の落とし穴」,最後の第Ⅶ章に6項目の「人工膵臓の落とし穴」が記載されている.一つひとつの事象における人工臓器治療の落とし穴についてかなり詳細に事例をあげ,その事例の分析を記載し,落とし穴の回避法・対処法にいたるまで丁寧に解説されており,読み応えのある書物となっている.
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