まい・てくにっく
右小開胸左房展開のコツ
紙谷 寛之
1
,
坂口 太一
2
1旭川医科大学心臓大血管外科
2兵庫医科大学心臓血管外科
pp.168-169
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_168
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低侵襲心臓手術(MICS)僧帽弁手術の左房展開の際にもっとも注意すべきは左房切開線のおき方である(図1).右側左房切開を行うが,まず右房と左房との間を剝離する.胸骨正中切開のときほど念入りに剝離はしないが,右上下肺静脈起始部より約1 cmは左側に向かって剝離するようにしている.また,下大静脈と右下肺静脈との間も剝離しておく.大動脈遮断後,右上肺静脈起始部より1 cm左方で左房を切開し,ベントを挿入する.心筋保護液注入後,その切開線を足側に向かって延長するが,その際に右下肺静脈に近寄りすぎないように注意する.ある程度切開したところで左房切開口腹側に支持糸をかけると,後の操作が楽になる.下大静脈の裏側までしっかりと切開すると,後の左房展開に有利である.次に頭側であるが,右肺動脈と接するところまでは切開する.
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