連載 未来の専門医を育てる!
広島大学における心臓血管外科医の増加・育成法
髙橋 信也
1
S. Takahashi
1
1広島大学病院心臓血管外科
pp.133-135
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu77_133
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心臓血管外科医の不足は,特に地方では著しく,人数を増やすことが喫緊の課題である.そして,腕のよい心臓血管外科医を育てることは,その地域を守る心臓血管外科専門医あるいは指導医の重要な仕事である.これらの医師増加と育成は,ある意味馬車の両輪のようなものであり,相加相乗的な性質があると考える.筆者の個人的な勧誘に対する考え方もあるが,本学では,心臓血管外科の素晴らしさを学生や研修医に伝えるようにしているが,決して勧誘はしていない.なぜなら,勧誘されて入門するくらいの気概では,決して一流になれるような仕事はできないと考えているからである.もちろん,熱心に心臓血管外科の素晴らしさ・面白さを伝えること,生きがいを感じていることを伝えること自体が勧誘です,といわれればそうかもしれないが,いわゆる勧誘はしないのが原則であると考えている.であるから,学生から「入ったらいいですかね」と聞かれたら,「君自身が面白いと思うかどうかだと思うよ.自分で決めなさい」と伝えている.当科にはその状況でしか入局してこないので,全員熱く,打てば響く連中ばかりである.
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