まい・てくにっく
心房性機能性僧帽弁閉鎖不全に対する戦略
山口 裕己
1
,
柴田 利彦
2
1昭和大学江東豊洲病院心臓血管外科
2大阪公立大学心臓血管外科
pp.694-695
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu76_694
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心房性機能性僧帽弁閉鎖不全が生じる機序は弁輪拡大に伴う接合不全と左房拡大に伴う後尖のhamstringであるので,弁輪拡大を矯正するために人工弁輪による弁輪縫縮が基本術式となる.しかしながら,弁輪縫縮のみでは中・遠隔期に逆流が再発する症例があることが報告されている1).われわれも同様の経験を有しており,弁輪縫縮のみでは不十分と考える症例がある.左室拡大が高度で左室機能の低下がある症例,僧帽弁の逆流量が非常に多い症例,左房拡大の高度な症例などである.このような症例では,弁輪縫縮のみでなくglutaraldehyde処理を施した自己心膜パッチを用いた広範囲後尖拡大術2)を行っている(図1).本稿ではその手技のポイントについて述べる.
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