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現在筆者は,冠状動脈吻合を原則的に側々吻合で行っている.Sequential吻合の近位吻合に側々吻合を用いることは一般的で,その開存は非常に良好であるため遠位最終吻合にも側々吻合を適用している1).側々吻合には大きく分けて,冠状動脈とグラフトを並行に吻合するパラレル法と直角に吻合するダイヤモンド法があり,グラフトの取り回しによって使い分けている.筆者はグラフトの最終吻合を原則的にパラレル法による側々吻合で行っているが,その理由として,①グラフトと冠状動脈の切開長を同じくし運針の位置と間隔を同じくすれば,吻合部の形態を容易に整えることができる,②グラフトと冠状動脈の口径に差があっても吻合が容易である,③吻合部からの出血が少ない,④必要に応じてグラフトの切開長を延長することでon-lay patch吻合などの長い吻合口への対応が容易である,⑤sequential吻合の近位吻合にも遠位最終吻合にも同じように対応できることなどがあげられる.側々吻合を行ったグラフトの遠位断端の処理はクリップで単純に閉鎖しているが,術後造影像をみるとグラフト断端に盲端が形成されたりすることはなく,吻合部は綺麗な形状に仕上がっており,吻合部血栓などの問題を経験したことはない.流体力学的な研究では,端側吻合よりも側々吻合のほうが吻合部における血流ストレスが少ないと報告されている2).また実際の臨床データでも,側々吻合の開存成績が優れていたという報告もある3).本稿では筆者の行っている側々吻合方法を紹介したい.
It is well known that proximal part of a sequential bypass grafting often demonstrates better patency than distal part does due to more favorable hemodynamics of side-to-side anastomosis. Therefore, we adopt side-to-side anastomosis (parallel fashion) even for most distal part of bypass grafting. In addition to superiority in hemodynamics, side-to-side anastomosis (parallel fashion) provides a couple of advantages such as ①easiness in creating a very long opening of the anastomosis, ②compatibility in size (diameter) mismatch between graft conduit and coronary artery, and ③excellent hemostasis from the suture line. This article describes technical details and tips of side-to-side anastomosis in both parallel fashion and diamond (cross direction) fashion.
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