連載 専門医に必要な画像診断技術 (第12回)
4 MRI
肺縦隔疾患
大野 良治
1
Y. Ohno
1
1藤田医科大学放射線医学教室
pp.1101-1109
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu72_1101
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核磁気共鳴画像(MRI)は高い組織分解能を有し,臨床導入当初は胸部における潜在的な臨床的有用性が示唆されていた.しかし,当時の技術レベルでは肺野末梢構造などをコンピューター断層撮影(CT)と同様に描出することができなかったこと,1991年のRadiologic Diagnostic Oncology Group(以下RDOG)による報告がなされて,肺癌診療における有用性が限定されたものであることが示唆されたことから,長く胸部疾患への臨床応用は限定されてきた1).しかし,近年のMR装置の進歩や新たな撮像法の開発により,呼吸器疾患におけるMRIの臨床適応は確実に広がりつつある.さらに,2000年以降の各種肺機能イメージング法の開発や2000年代中ごろ以降の3 T MR装置の臨床応用に伴い,胸部MRIは1.5 Tから3 T装置での検査も増加しつつある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019