連載 ガイドラインを読み解いて活かす! がん患者の精神・心理ケア【3】
治療中止や余命の伝えかたに関するコミュニケーション ~「がん医療における患者-医療者間のコミュニケーションガイドライン2022年版」を読み解く~
重野 朋子
1
,
中嶋 祥平
2
,
白井 由紀
3
1筑波大学附属病院看護部/がん看護専門看護師
2帝京大学医療技術部看護学科小児看護学領域
3関西医科大学看護学部・看護学研究科治療看護分野がん看護学領域
pp.77-81
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_77
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はじめに
前回では,がん医療における患者・看護師・医師のコミュニケーション力を高めるツールや研修に関する臨床疑問(clinical question:CQ)1~4を紹介した.CQ 1~4はエビデンスの確実性がA(強い)~B(中程度)とエビデンスレベルの比較的高い領域である.しかし,臨床的に重要な課題のなかにはエビデンスの創出がむずかしいものが多い.たとえば,「根治不能であることを患者に伝えてよいのだろうか」「予測される余命を患者に伝えたらショックを受けるのではないだろうか」と医療者がしばしば思い悩むような場面である.しかし,これらの疑問に答える比較試験を行うことは倫理的側面からも現実的ではない.本ガイドラインでは,「臨床的に重要な課題についてはエビデンスが限られていても,観察研究や心理実験などの知見やエキスパートオピニオンを参照して可能な限り推奨をつくる」ことを目指した.そして,エビデンスが限られていると予測されるが臨床において非常に重要な課題としてCQ 5~7を設定した.
今回は,CQ 5~7で取り上げた治療中止や余命の伝えかたに関するコミュニケーションを紹介し,ガイドラインの活用方法について概説する.

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