特集 ガイドラインを知ろう! ~成り立ちから,実践での活用まで~
ガイドラインを看護に活用 ~実践編~
血管外漏出 ~『がん薬物療法に伴う血管外漏出に関する合同ガイドライン 2023年版』~ 外来化学療法室での活用ケースと未来の展望
淺野 耕太
1
Kota ASANO
1
1京都第二赤十字病院外来化学療法センター/がん看護専門看護師
pp.479-482
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_479
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ガイドラインの紹介
がん薬物療法に伴う血管外漏出(extravasation:EV)は,抗がん薬投与中に薬剤が血管外へ漏れ出し,皮膚や周辺組織に重大な障害を引き起こすことである.EVが発症することで,患者の身体的・心理的な負担感の増大だけでなく,日常生活の制限,生活の質(quality of life:QOL)の低下や治療の計画の変更を招く要因となるため,適切な予防策と迅速な対応が不可欠である.
『がん薬物療法に伴う血管外漏出に関する合同ガイドライン 2023年版』1)(以下,血管外漏出ガイドライン)は,日本がん看護学会,日本臨床腫瘍学会,日本臨床腫瘍薬学会の3学会の合同で策定されたガイドラインであり,EVの予防,早期発見,対応に関する,2022年時点でのエビデンスに基づいた推奨が示されている.また血管外漏出ガイドラインでは,多職種連携によるマネジメントの重要性も強調されており,安全な治療環境の提供とQOL向上を目指している.
がん薬物療法に携わる看護師は,がん薬物療法薬の静脈穿刺を行う機会も多く,EV予防において中心的な役割を担っている.EVのリスクを低減するために,日常業務のなかで血管外漏出ガイドラインのCQ(clinical question:臨床疑問)を参照しながら,適切な血管選択や穿刺技術の向上にもつなげられると考える.そのため,血管外漏出ガイドラインは看護師の実践に不可欠な指針の一つであり,EV予防の観点からも積極的に活用すべきものである.
本稿では,血管外漏出ガイドラインの実際の活用方法について示し,がん薬物療法看護における取り組みと今後の展望について考察していく.

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