日本における高齢者機能評価とがん治療

はじめに

　本特集では，さまざまな角度からがん診療における高齢者機能評価（GA・CGA）の「必要性」や「有用性」が述べられていることと思われる．高齢化の著しいわが国において，高齢者における最適ながん治療は解決すべき課題の一つではあるが，GA・CGAのエビデンスは非常に乏しく，また脆弱なものが多い．わが国での限られた医療リソースを考慮すると，実臨床におけるGA・CGAのハードルは依然として高く，漫然と「高齢者にCGA・GAを行っていこう！」と正論を振りかざしても実臨床は変わらない．本稿ではわが国のガイドラインを概説しながら，わが国の実臨床にCGAを導入する際に，解決すべき課題と問題点を共通認識できればと思う．