特集 患者の思いを引き出して支え,力を高める意思決定支援
患者力向上プログラム(PEP)で患者の自己決定する力を支える
長谷川 友美
1
Tomomi HASEGAWA
1
1奈良県総合医療センター/緩和ケア認定看護師,PEP活動メンバー
pp.141-145
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_141
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はじめに
人には,生物としての「命」と,物語られる「いのち」の2つの側面がある.患者が物語る「いのち」は人生そのものであり,意思決定支援は患者の「いのち=生き方」に対するアプローチである.
とくにがん患者は,診断時に人生を根底から覆すようなつらい体験をしつつ,一方では治療に関する意思決定を強いられる.そんな多くの患者は,治療を含むがんの療養の中で肉体的・精神的にさまざまな過酷な状況に陥る.自分の力ではどうしようもできない時,その状況に折り合っていくには他者の力が必要である.つまり,患者は自分一人ではその患者力を高めていくことは困難な状況にあるため,医療者がそれをサポートする必要がある.
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