連載 がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【17】
がん薬物療法に関連した過敏症の特徴とその対策
笹本 奈美
1
Nami SASAMOTO
1
1川崎医科大学総合医療センター/がん薬物療法看護認定看護師
pp.81-85
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_81
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はじめに
過敏症(hypersensitivity reaction:HSR)は,異物の侵入によって体内で免疫系の異常反応が生じ,発熱や皮疹,咽頭違和感,あるいは低血圧など,さまざまな症状を引き起こす,すべての薬剤に起こりうる有害事象である.とくに,がん薬物療法においては,過敏症を生じやすい薬剤が数多くあり,ときに重篤化し生命に影響することがあるため,投与管理を行う看護師には,過敏症を予測し適切な対処を行うとともに症状出現時の迅速な対応が求められる.
そのためには,普段から,あらゆる事態に備えた訓練を行うことが望ましく,各施設で急変対応に関連した研修などを企画・運営していることと思う.
本稿では,がん薬物療法に関連した過敏症の特徴や症状出現時の対応,筆者の所属施設における急変対応のための取り組みについて紹介する.
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