連載 臓器別がん 最新エビデンスに基づいた薬物療法と看護の実践 【4】
胃がん
丹田 滋
1
Shigeru TANDA
1
1東北労災病院・検体検査管理者
pp.797-804
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_797
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治療の全体像と薬物療法
ステージ別標準治療
胃がんの診療では治療開始前検査に基づき治療法が選択される.内視鏡治療や手術治療でえられた切除標本があれば,その評価(病理分類)により術後の経過観察や追加治療,対症療法が実施される(図1).
薬物療法は,①手術前に実施され手術の効果や安全性を高めるための術前薬物療法,②病理分類に応じて再発リスクを下げるために実施される術後薬物療法,③切除不能なほど進行したがんや再発がん(合わせて以下,「進行がん」)に対する薬物療法(図2)の3種類に分類される.
薬物療法開始前にはB型肝炎ウイルス再活性化予防のため,HBs抗原,HBsおよびHBc抗体の検査によりリスク群を同定する.必要があれば肝臓専門医にコンサルトする.
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