連載 シームレスに実践 ターミナルケア・グリーフケア 【5】
希望する場所で生活し旅立つことを支援する ~在宅医からの終末期ケア報告と提案~
奥野 滋子
1
1医療法人長谷川会 湘南ホスピタル,順天堂大学大学院医学研究科緩和医療学
pp.75-78
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_75
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はじめに
今,医療現場ではadvance care planning (ACP)への取り組みが行われており,がん・非がんにかかわらず終末期医療のあり方に関しては本人の価値観や意思決定が最重要であるという認識が広まっている.その一方で,意思決定のタイミングを逃し,本人の意向が確認できないこともある.また死生観,宗教観に裏打ちされた医療やケア・看取りに対する関心の希薄化,家族や地域住民とのつながりの脆弱性,意思決定した内容に患者の自己責任を問う社会といった問題もある.在宅医療現場でも緩和的アプローチは必須だが,その方法については割愛する.本稿では,希望する場所で生活し旅立つことを支援するため,在宅ターミナルを支えるケアの実践と課題について,ACPおよび生活と医療をつなぐことに着目し,在宅医から終末期ケアの報告と提案をしたい.
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