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近年,猛スピードで変化し続けるがん医療の現場において,がん患者・家族にとって意味のある生き方や治療・療養・生活過程を支えていくためには,がん看護の普遍性と専門的知識と技術を有する実践者の存在が重要な鍵となります.がん看護実践者は,多くの悩みや困難をもちつつも,最新のがん医療の動向に関心をはらい,経験と主体的な学習や継続教育によって習得したがん看護の基本的な知識や技術を駆使して,患者・家族の個別化したケアに取り組まれています.
現在,国や自治体,学会,医療機関・教育機関の研修や書籍や雑誌などにおいて,多種多様なテーマでがん医療・看護に関連する学習の機会が多くあります.そのような状況にあっても,がん看護に携わる看護師,とくに初学者に必要な実践の基盤とは? 標準的ながん看護実践において必要な知識や技術とは? がん看護を病棟に浸透させていくために必要な要件とは? といった問いは尽きないのではないでしょうか.
そこで,今回の企画は,がん看護に関心をもった初心者から中堅の看護師が知っておく必要のある考え方・知識・技術,すなわち,がん看護実践の基盤となるもの,スタンダードながん看護を実践するうえで理解しておく必要のある項目について,日本がん看護学会から出されているがん看護コアカリキュラム(http://jscn.or.jp/core/doc/core_2016e.pdf)を参考に検討しました.コアカリキュラムは,【A.がんの理解に必要な基礎知識】,【B.がん看護の基盤となる考え方】,【C.がん看護実践の基本】[1.がん患者と家族の理解,2.がん看護実践の基本概念と方法,3.がん治療・療養過程に焦点を当てた看護実践]の3領域に分類されています.本号ではまず,【A.がんの理解に必要な基礎知識】に含まれる「がんの特性」「がん患者と社会」「がん医療と薬理」「がん患者と栄養」の中のコアとなるがん看護の重要なキーワードについて,がん患者の理解やケアに基本的知識がどのように関連しているのか,知識を理解することによって看護実践の見え方がどのように広がるのか,知識を用いると看護ケアの質がどのように高まるのかなどをひもとき,がん看護実践の基盤づくり,ケアの質向上に活かすことを意識して企画しました.
本特集が,がん看護の現場で活躍される皆様のケアの向上に役立つものとなれば幸いです.
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