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事例紹介
プロフィール
Dさん,65歳,男性,直腸がんステージⅢT3N1M0.
入院までの経過
3年前に健診で異常あり,精査の結果,直腸がんと診断され,前方切除術を施行した.10ヵ月前,骨盤内再発の診断でmFOLFOX6療法<オキサリプラチン(エルプラット®),ホリナート(ロイコボリン®),フルオロウラシル(5-FU)>を実施した.とくにオキサリプラチンによる感覚性末梢性神経障害が生じ,副作用の出現に見合わせて薬剤量を調整しながら8クール継続された.6ヵ月前に,腹会陰式直腸切断術を施行し,左側腹部にストーマ造設がされた.退院後,ストーマは自己管理していたが,ストーマパウチ貼付部の皮膚のトラブルがたびたび生じており,外来で皮膚 ・排泄ケア認定看護師(WOC)が介入していた.1ヵ月前より,トイレ(排尿)歩行以外は臥床していることが多くなった.2日前より,悪心・嘔吐が出現し,入院となった.
身体所見と検査値
入院時,ストーマ周囲約2 cmの皮膚がただれ,パウチに漏れが生じていた.心窩部に不快感はあるが,痛みとしての訴えはない.
血液データ
CRP:1.03 mg/dL, TP:8.2 g/dL, ALB:4.2 g/dL, T-Bil:0.6 mg/dL, D-Bil:0.1 mg/dL, ChE:198U/L, AST:21U/L, ALT:19U/L, ALP:220U/L, γ-GTP:33U/L, LD:201U/L, BUN:20 mg/dL, CRE:0.84 mg/dL, UA:7.2 mg/dL, Na:132 mmol/L, K:3.1 mmol/L, Cl:97 mmol/L, GLU:98 mg/dL, WBC:8,600/µL, RBC:360/µL, Hgb:12.1 g/dL, Ht:32.50%, MCV:104fl, MCH:34.4pg, MCHC:33.2%, PLT:19.9/µL
社会的背景
60歳まで精密機器の技術を担当.実直な性格.妻と二人暮らし.長男家族は遠方に居住し,長女は近隣で独居.今後は,自宅療養を希望している.
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