NURSES' VIEW
私は卵巣癌,ステージⅢ
深川 理和子
pp.1225
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923047
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癌は日本では,まだまだ病名を告げないのが一般的であるし,小説や体験談の中でも癌を扱ったものはよく売れている.それだけ怖い存在なのだ.
私は臨床の場で,自分の病名を知らない癌患者に接している時,知らないということは本当に幸せだろうか,末期になって患者自身がそれと悟るまで知らせない方が本当の思いやりだろうかといつも疑問に思っていた.ところが今年の3月に私は,卵巣が茎捻転を起こし緊急手術を受け,卵巣癌ステージⅢという,まことにありがたくない病名をいただいたのである.医療従事者が患者になった.これほどの体験学習はない.
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