連載 がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【4】
膵臓がんで薬物療法を受ける患者の背景と支援
新田 理恵
1
1杏林大学医学部付属病院化学療法病棟/外来治療センター/がん化学療法看護認定看護師
pp.772-776
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_772
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はじめに
膵がんの死亡者数は増加する傾向にあり,国立がん研究センター最新がん統計1)によると2018年の全がん死亡者数のうち肺,大腸,胃に続いて第4位である.年間の罹患者数は約40,000人で死亡者数とほぼ同じであり,難治性がんの代表である.膵がんは早期発見がむずかしく診断時に切除不能と診断されることが多い.治療の中心は薬物療法であるが,薬物療法だけでの根治はむずかしい.近年,膵がんに対する薬物療法の選択肢が増えているが,腫瘍抑制や延命効果の高い薬剤が使用できるようになった反面,有害事象も強く現れる.
そこで,膵がんで薬物療法を受ける患者の背景を整理し,実際に筆者が入院・外来治療中にかかわった膵がん患者の事例を挙げて看護支援を振り返りたい.
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