臨床メモ
全身がだるい
阿部 達夫
1
1東邦大内科
pp.628
発行日 1968年5月10日
Published Date 1968/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202220
- 有料閲覧
- 文献概要
全身倦怠感はきわめて広範な各種疾患にみられるまつたく特異性のない不定な自覚病状である。したがつて全身倦怠感のみを主訴としている場合でも,その診断のためには問診,理学的診察のほかに,かなり広範な検査を行なわないと,陰にひそむ重要な疾患を見のがす恐れがある。
まずたいせつなことは問診である。まつたく病気ではなくて,ただ過労や睡眠不足によるものも少なくない。ほかに随伴する自覚症状がないか聞きだすことも,おおよそのめやすをつけるために重要であるのはいうまでもない。診断の見当がつかないとすれば一応血沈・血圧測定,胸部X線検査,尿検査(蛋白,糖,ウロビリノーゲン検査),糞便検査,血液検査(ザーリー値,ヘマトクリット,白血球数赤血球)を行なつてみる。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.