特集 がん患者の創傷・皮膚障害 ~ケアの基本と実践~
【進行がんによる創傷・皮膚障害】
褥瘡・スキンテア ~終末期の皮膚をケアで守る~
紺家 千津子
Chizuko KONYA
pp.760-764
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_760
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はじめに
がんの進行により終末期にいたった患者の呼吸困難感やがんに伴う疼痛に対しては,苦痛の程度が客観的にも把握しやすいため積極的な緩和ケアがなされている.一方で,全身をおおう皮膚は危険からの回避のために痛覚が発達しており,わずかな表皮剝離といった創傷でも強い痛みを感じるため苦痛の程度は客観的には把握しがたい.したがって,終末期がん患者の皮膚に注目した緩和ケアは,非常に重要である.
そこで,本稿では終末期がん患者の皮膚に起こりやすい褥瘡と,スキンテアに関する2つの創傷における緩和ケアの在り方について,発生要因,予防,さらに創傷管理の視点から解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019