特集 【各論】服薬アドヒアランスを高める看護
ホルモン療法を受ける患者の服薬アドヒアランスの特徴と課題~AYA世代の乳がん患者事例~
逢阪 美里
1
Misato OSAKA
1
1聖路加国際病院 オンコロジーセンター・ブレストセンター/がん看護専門看護師
pp.547-550
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_547
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
特 徴
乳がん術後の補助療法として行われるホルモン療法は標準的治療の1つであり,5~10年と長期にわたる治療である.治療により乳がんの再発リスクを減少させる効果がある一方,更年期障害様の症状のほてりやうつ症状,生殖機能の影響など副作用をもたらすことが知られている.ホルモン療法を受ける乳がん患者は結婚・出産・育児・就業など,家庭的・社会的役割 を果たし自己を充実させる時期にある.内服による効果がすぐにみえない,日常生活に支障が出る副作用を経験するなかで,長期間,毎日内服を継続することはたやすいことではない.また,乳がんの罹患によって見通しが立たないなかでの長期間のホルモン治療は,患者にとって不安要素が多く,効果に実感がないことにより自己判断で治療を中断してしまうケースもある.このことより看護師は,ホルモン療法を受ける乳がん患者の身体面だけでなく,心理面,社会面のアセスメントを行い個々の患者が抱える課題に着目したサポートを行う必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019