連載 外科医の私論
集約化とこれからの消化器外科
大植 雅之
1
1大阪国際がんセンター
pp.226
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka88_226
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2007年,義父が亡くなった.当時から当センターでは外科の専門分化が進み,大腸外科医はわずか2名しかいなかった.私はチーフとして毎日手術に入っており,車で5時間かかる田舎の通夜には出席したものの,翌日の葬儀には参加せず帰阪し,予定通り手術を行った.患者の手術日程を私事で変更することはできない―そう考えていたし,外科医として当然の判断だと思っていた.しかし妻や親族には大いに不評で,いまでも義父の葬儀に参列しなかったことを揶揄される.専門分化の結果生じた少人数診療体制の歪みであり,「1~2名の疾患グループでは,大切な用ですら休むことができない」という現実を痛感した.現在は大腸外科医が10名に増え,当時がいかに脆弱な体制であったかを思い知る.こうした経験から,私は診療科の集約化に強く賛成している.
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