Japanese
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特集 移植医療の最前線
VI. その他・最近のトピックス
3.病院スタッフと考える移植臓器機械灌流保存技術―肝臓を中心に:わが国への導入へ向けて
Clinical application of ex vivo liver and kidney machine perfusion, introducing together with hospital staff
松野 直徒
1
,
小原 弘道
2
,
阪本 靖介
3
,
笠原 群生
4
N. Matsuno
1
,
H. Obara
2
,
S. Sakamoto
3
,
M. Kasahara
4
1東京都立大学機械システム工学臓器医用工学研究室/国立成育医療研究センター臓器移植センター
2東京都立大学機械システム工学臓器医用工学研究室
3国立成育医療研究センター臓器移植センター
4国立成育医療研究センター
キーワード:
機械灌流保存
,
単純冷却保存
,
脳死マージナルドナー
,
心停止ドナー
Keyword:
機械灌流保存
,
単純冷却保存
,
脳死マージナルドナー
,
心停止ドナー
pp.170-175
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_170
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臓器の保存方法は,単純に浸漬冷却する方法(staticあるいはsimple cold storage:SCS)と,灌流装置に血管を接続して保存液を循環させる方法(machine perfusion:MP)の二つがある.世界的な移植用臓器不足の解消策の一つとして,高齢者ドナーや脂肪肝といったexpanded criteria donor(ECD)や心停止ドナー(donation after circulatory death:DCD)が用いられるようになり,このような障害を受けた臓器の保存方法としてMPによる保存方法が脚光を浴びている.この方法は,虚血再灌流障害を軽減し,移植可能か否かの客観的評価が可能で,さらに障害臓器を積極的に回復・修復させる非常に魅力的な保存方法である.腎臓では,わが国で多施設共同臨床研究が行われ,装置と回路は国産初の薬事認証を得た.さらに肝臓において温度領域は低温・常温と違いはあるものの臨床試験をめざし準備がすすめられている.

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