Japanese
English
症例
良性結節として6年間経過観察された散発性甲状腺髄様癌の1例
A case of sporadic medullary thyroid cancer followed-up as a benign nodule for 6 years
佐伯 勇輔
1
,
佐藤 元通
1
,
藤原 佑太
1
,
内藤 宏貴
1
,
小野 仁志
1
,
渡部 祐司
1
,
北澤 荘平
2
Y. Saiki
1
,
M. Sato
1
,
Y. Fujiwara
1
,
H. Naito
1
,
H. Ono
1
,
Y. Watanabe
1
,
S. Kitazawa
2
1西条中央病院
2愛媛大学大学院分子病理学講座
キーワード:
散発性甲状腺髄様癌
,
血清カルシトニン
,
経過観察
Keyword:
散発性甲状腺髄様癌
,
血清カルシトニン
,
経過観察
pp.1145-1149
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka86_1145
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甲状腺髄様癌(medullary thyroid carcinoma:MTC)は,カルシトニンを分泌する傍濾胞細胞(C細胞)由来の腫瘍である1).本邦での発生頻度は欧米より低く,甲状腺悪性腫瘍の中で1.3%とまれである2).術前のMTCの診断には血清カルシトニンの高値や家族歴が契機になることがあるが,画像所見および細胞診での確定は困難な場合が少なくない.今回われわれは,健診の超音波検査で良性甲状腺腫瘤として発見され5年間経過観察された後,6年目に腫瘤の増大を認め,外来受診後の精査で散発性MTCと診断され手術した1例を経験した.MTCにおける術前診断の問題点につき,若干の考察を加え報告する.
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