連載 保健活動のtry! 学会で発表しよう 論文を執筆しよう・3
文献検索
中村 好一
1
1自治医科大学公衆衛生学教室
pp.479-482
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102137
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そもそもは…
本連載を始めてから「しまった!」と感じていることがある.学会発表や論文執筆はそれの前提となる研究が存在する.そして,「研究が完成したので,それでは学会で発表して,論文執筆も考えようか」というのではなく,研究を始める時から研究の最終段階である学会発表や論文執筆を常に念頭に置いておかなければならないのである.したがって,本連載は研究を進めていく上での最終段階である学会発表/論文執筆だけを取り上げているので,結構無理がある.
今回のテーマである「文献検索」も,いざ,学会発表/論文執筆の段階になって行うことでは,決してない.研究とはそもそも,「現段階では分からないことを明らかにする」行為であり,既に明らかなことを改めて明らかにすることに意味はない1,2).たとえ2番煎じを行うにしても,2番煎じであることを充分に認識した上で行うべきである3).現状を把握するためには文献検索がもっともオーソドックスな方法であるが,研究が完了してから行うことではない.とはいえ,研究を進めるに当たってはどこかで行わなくてはならない行為であり4),今回取り上げることとした.無理矢理こじつけるとすれば,研究を開始する前に文献検索を充分に行って計画を作成したが,研究が完成して学会発表や論文執筆の際に,この間に新たに別の人がこの分野で新しいことを報告していないかどうかを確認する,ということだろうか.
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