Japanese
English
症例
腹腔鏡補助下胃全摘術後に食道裂孔ヘルニアを発症した1例
A case of esophageal hiatus hernia after laparoscopy-assisted total gastrectomy
出井 秀幸
1
,
平松 和洋
1
,
加藤 岳人
1
,
柴田 佳久
1
,
吉原 基
1
,
青葉 太郎
1
H. Dei
1
,
K. Hiramatsu
1
,
T. Kato
1
,
Y. Shibata
1
,
M. Yoshihara
1
,
T. Aoba
1
1豊橋市民病院一般外科
キーワード:
腹腔鏡補助下胃全摘術
,
食道裂孔ヘルニア
,
術後合併症
Keyword:
腹腔鏡補助下胃全摘術
,
食道裂孔ヘルニア
,
術後合併症
pp.1052-1056
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_1052
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はじめに 腹腔鏡補助下胃全摘術(laparoscopy-assisted total gastrectomy:LATG)は,胃癌治療ガイドラインにおいて依然,臨床研究としての治療という位置づけではあるが,開腹胃全摘術に比べ術後疼痛の軽減,早期腸管機能回復などの利点から近年積極的に導入されている1~3).癒着が少ないため4),開腹手術と比較して術後の癒着性イレウスの頻度は低いとされているが5,6),一方で内ヘルニアによるイレウスの報告が散見される.自動縫合器を用いた食道空腸吻合(overlap法など)では,吻合の際にワーキングスペースの確保のために横隔膜脚を切離し,食道裂孔を開大することが必要な場合がある7,8).そのため,開大した食道裂孔を通り,腸管が縦隔あるいは胸腔内へ脱出する危険性がある.今回,LATG術後に発生した食道裂孔ヘルニア嵌頓による絞扼性イレウスに対して,緊急手術を行い整復した症例を経験したので報告する.
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