Japanese
English
骨・関節感染症の治療戦略 Ⅲ.検査・診断
4.新しい手法による診断
プレセプシンの術後感染症診断における有用性
Usefulness of presepsin in early diagnosis of postoperative infection
小圷 知明
1
,
小野田 祥人
2
,
相澤 俊峰
2
T. Koakutsu
1
,
Y. Onoda
2
,
T. Aizawa
2
1国立病院機構仙台医療センター整形外科
2東北大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., National Hospital Organization Sendai Medical Center, Sendai
キーワード:
biomarker
,
diagnosis
,
infection
,
presepsin
,
surgery
Keyword:
biomarker
,
diagnosis
,
infection
,
presepsin
,
surgery
pp.103-107
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei81_103
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は じ め に
インプラントを用いることが多い整形外科手術では,手術部位感染(SSI)の早期診断が重要である1~5).しかし,手術侵襲後には感染を合併しなくても全身性炎症反応が生じるため,SSIの早期診断はむずかしい1,4).従来,白血球数・分画2),C反応性蛋白(CRP)3,5),赤血球沈降速度5)などがSSI診断マーカーとして用いられてきたが,感染を伴わない手術侵襲後にも変動,あるいは感染の軽快後も異常値が持続するため,SSI診断における特異度は低く,必ずしも診療上有益な情報を得ることができなかった1,4).
近年,新しい敗血症診断マーカーとしてプレセプシン(PSEP)が発見され6),敗血症の早期診断ばかりでなく重症度・予後予測にも有用であるとの報告がある6~9).そこでわれわれは2012年9月以降,東北大学病院整形外科脊椎診療班における全身麻酔下予定手術例を対象として,PSEPと従来のマーカーを経時的に測定してきた.本稿ではPSEPの術後非感染例と感染例における周術期動態,術後創傷感染症早期診断における有用性について述べる.
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