特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
高齢者の併存疾患・合併症に対する対策 超高齢者における関節リウマチ治療の問題点と実際
近藤 直樹
1
,
遠藤 直人
1新潟大学 整形外科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
Hyaluronic Acid
,
X線診断
,
関節リウマチ
,
鑑別診断
,
超音波診断
,
Matrix Metalloproteinase 3
,
握力
,
重症度指標
,
膝関節置換術
,
Etanercept
,
Abatacept
,
Tocilizumab
,
関節穿刺
Keyword:
Etanercept
,
Arthrocentesis
,
Abatacept
,
Arthritis, Rheumatoid
,
C-Reactive Protein
,
Diagnosis, Differential
,
Hyaluronic Acid
,
Radiography
,
Severity of Illness Index
,
Ultrasonography
,
Hand Strength
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Matrix Metalloproteinase 3
,
Tocilizumab
pp.142-147
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088663
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症例1は80歳女性で、急な発熱を契機に関節症状が生じ、膝関節の超音波所見、手部の単純X線像で骨びらんを認め、MMP-3値上昇から高齢発症関節リウマチ(EORA)と診断した。症例2は76歳女性で、誘引なく関節症状が生じたが、抗CCP抗体陽性かつRF陽性でありMMP-3値も上昇していたことからEORAと診断した。症例3は77歳女性で、右足関節腫脹を自覚したが7年にわたり抗CCP抗体が計測されなかった。下腿浮腫が持続し抗CCP抗体陽性でRF陰性、両手指・手関節全体の骨びらん、両側膝蓋大腿関節の関節裂隙狭小化と関節面の粗造化を認め、EORAと診断した。アバタセプト単剤で症例1は寛解、症例2は中疾患活動性が得られ、症例3はトシリズマブ単剤で寛解を達成した。症例4は85歳女性で、RAのためエタネルセプトが導入されていたが、消化器癌に対する外科治療後創治癒遅延が遷延してエタネルセプトが再開できず、RA再燃のためヒアルロン酸を定期的に関節内注射した。
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