難治性骨折に対する治療
難治性骨折の治療(総論) 手術の工夫 巨大骨欠損を呈した下肢長管骨開放骨折、感染性偽関節に対する骨延長術による再建
荻原 弘晃
1
,
森本 祥隆
,
古橋 亮典
,
松山 幸弘
1浜松赤十字病院 整形外科
キーワード:
下肢
,
偽関節
,
骨疾患-感染性
,
骨髄炎
,
骨折-開放
,
骨長延長法
,
骨欠損
Keyword:
Bone Diseases, Infectious
,
Bone Lengthening
,
Fractures, Open
,
Osteomyelitis
,
Pseudarthrosis
,
Lower Extremity
pp.87-91
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012339592
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広範な軟部組織損傷と巨大骨欠損を生じ血管柄付き組織移植が困難であった4例(全例男、平均年齢34歳)に対し、骨延長術による治療を行い検討した。全例Gustilo分類III型の開放骨折で、受傷部位は大腿骨1例、脛骨3例で、大腿骨受傷例に対しacute shortening distraction(ASD)を、脛骨受傷例に対し骨移動術(BT)を施行した。その結果、延長距離は平均12.3cm、創外固定装着期間は平均528.5日、創外固定指数は平均45.5日/cmで、全例で骨癒合を得ることができた。合併症はピンサイト感染が全例見られたが、ピンサイトの皮膚切開と抗菌薬投与で鎮静化した。ピンの折損およびロッドの折損がASD例でみられ、延長中に下腿は屈曲変形、大腿は内反変形が生じた。関節拘縮は下腿例では足関節、大腿例では膝関節に生じ、1例で腱延長術、1例で関節授動術を追加した。ASD後に大腿骨内反変形が残存した症例では、延長終了後5年で仮骨骨折を生じた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012