発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002180107
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
30歳男.交通事故による大腿骨骨折がMRSAによる骨髄炎を併発し,数回の病巣掻爬と洗浄,血管柄付き腓骨移植,内側広筋の筋弁移行術など計10回の手術を施行されたが骨癒合は得られず,かつ瘻孔も閉鎖しなかった.X線で大腿骨中央部に移植された腓骨近位部の螺子周囲に骨吸収像を認め,瘻孔造影では造影剤は移植された腓骨近位部に到達した.血液検査所見では滲出液の培養でMRSAが検出された.MRSAによる大腿骨感染性偽関節と診断し,短縮延長法を施行した.その後,偽関節部の骨癒合が得られていなかったため,偽関節部再手術を施行した.術後経過は良好で,治療開始2年2ヵ月後のX線所見で骨延長部の成熟を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2002