創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
新たな展開 Taylor Spatial Frame 高度のリウマチ性後足部変形に対するTaylor Spatial Frameを用いた二期的手術治療
門野 邦彦
1
,
田中 康仁
,
前川 尚宣
,
高倉 義典
1宇陀市立病院 整形外科
キーワード:
外固定器
,
関節リウマチ
,
骨移植
,
骨ねじ
,
再手術
,
足の形態異常
,
三次元イメージング
,
マルチスライスCT
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Bone Screws
,
Foot Deformities
,
Reoperation
,
Bone Transplantation
,
External Fixators
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Multidetector Computed Tomography
pp.68-73
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181711
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症例1:59歳男。39歳時より関節リウマチ(RA)を発症し、46歳時に左足の距腿関節固定術を受けたが、その後も変形が進行した。三次元CTで、踵骨は外反脱臼して横倒しとなり、腓骨下端に突き刺さったような状態であった。踵骨を距骨下関節に整復・還納して関節固定術を行うことを治療のゴールとし、まずTaylor Spatial Frame(TSF)を用いてX線像に基づく矯正プログラムに従った緩徐な変形矯正を行った。TSF装着3週で矯正位が得られ、距骨下関節固定術を施行し、踵骨の骨欠損部と関節面に骨移植を行いIlizarov創外固定器で固定した。術後2ヵ月に創外固定を除去し、蹠行性の足が得られた。症例2:65歳女。RAによる後足部変形をきたし、マルチスライスCTでは距骨と踵骨が一体となって外反し、外顆の下端に当たっていた。症例1と同様の二期的手術を行い、TSF装着35日で矯正が完了した後、髄内釘およびスクリューによる距腿・距踵関節固定術を行った。術後ギプス固定を2週間行い、蹠行性の足となり疼痛なく歩行可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009