発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2008371114
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易感染状態患者に対し生の果物を提供する場合、その細菌学的検討がされるべきである。われわれは、果物を食すまでの喫食行程における細菌数に着目し、易感染状態患者が安全に喫食できる手順について検討した。【方法】3種類の手洗い方法(A:石けんでの手洗い、B:A+手指乾燥、C:石けんでの手洗い+手指乾燥+エタノール噴霧)と果肉の付着細菌数をstandard plate count(SPC)にて測定し、比較した。【結果】手洗い方法では、C法が果肉付着細菌数が少ない傾向であった。またリンゴの場合皮に10^2cfu/gの細菌が付着していたが、水洗により細菌数は減少した。カットや皮むき後でも果肉付着菌数は目立った増加はなかったが、手洗いがA法の場合、他法に比べ付着細菌数が多かった。【考察】生の果物を提供する場合、手洗いではC法が望ましいことが考えられた。また、カットや皮むきを行う場合には、乾燥不十分な手指で行わないよう、患者や家族に指導することも適切と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008