発行日 1998年11月20日
Published Date 1998/11/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.1999070086
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がん専門病院に入院中で,現在疼痛コントロールを行っている3名の患者を対象に調査を行った.情報収集は,カルテ等の記録物,ケアなどを通した参加観察,患者及びスタッフへの面接を行った. 1)患者はがん性疼痛に対し生活や感情の視点で痛みを認知・評価していた.したがってがん性疼痛が生活に与える障害により生命の質を左右する. 2)患者は痛みに対しそれぞれの理解・価値観・信念に基づき服薬行動や補助的医療の対処行動を実施し,疼痛緩和を試行していた. 3)がん性疼痛に対する感覚的・感情的表出は,苦痛の程度を評価するための重要な情報であり,更に情緒的対処行動は苦痛緩和に有効である.以上の結果から,看護は患者の価値観や信念を尊重し,セルフケア能力と情報的対処行動の支援と,生命の質を考慮した生活の援助を行っていかなければならない
©Nankodo Co., Ltd., 1998