免疫性神経疾患 新たな治療戦略に向けて
自己免疫性脳炎
飯塚 高浩
1
,
望月 秀樹
1北里大学 医学部神経内科学
キーワード:
IgG
,
Steroids
,
奇形腫
,
血漿交換
,
自己抗体
,
自己免疫疾患
,
NMDA Receptors
,
鑑別診断
,
脳炎
,
髄液
,
脳波記録法
,
卵巣腫瘍
,
腫瘍随伴症候群-神経系
,
静脈内投与
,
髄液検査
,
病態生理
Keyword:
Cerebrospinal Fluid
,
Autoantibodies
,
Autoimmune Diseases
,
Diagnosis, Differential
,
Encephalitis
,
Electroencephalography
,
Immunoglobulin G
,
Ovarian Neoplasms
,
Plasma Exchange
,
Steroids
,
Teratoma
,
Receptors, N-Methyl-D-Aspartate
,
Paraneoplastic Syndromes, Nervous System
,
Administration, Intravenous
pp.858-863
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010193478
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年、VGKC、NMDA受容体、AMPA受容体、GABAB受容体など、神経細胞表面抗原に対する抗体を介して発症する新しいカテゴリーの自己免疫性脳炎が提唱されている。抗Hu抗体など抗細胞内抗原抗体を有する古典的な傍腫瘍性辺縁系脳炎は、治療抵抗性のT細胞免疫介在性の病態と推測されているが、抗細胞膜表面抗原抗体を有する脳炎は治療反応性で、液性免疫介在性の病態と考えられている。本稿では、中でももっとも頻度の高い抗NMDA受容体脳炎に焦点を絞り、疾患概念、臨床症候、診断、病態、治療そして類縁疾患との異同について述べる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010