肝臓を診る-肝臓病のキモ 肝不全・肝硬変・肝細胞がん
急性肝不全 致死的経過となるリスクの見極めとその後の対応
小田 耕平
1
,
井戸 章雄
1鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科HGF組織修復・再生医療学講座
キーワード:
患者管理
,
肝臓移植
,
肝機能検査
,
抗ウイルス剤
,
DIC
,
理学的検査
,
肝不全-急性
,
高アンモニア血症
,
血液浄化法
Keyword:
Antiviral Agents
,
Disseminated Intravascular Coagulation
,
Patient Care
,
Liver Function Tests
,
Physical Examination
,
Liver Transplantation
,
Liver Failure, Acute
,
Hyperammonemia
pp.1163-1167
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017264378
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正常肝に肝障害が生じ,8週間以内に高度の肝機能障害に基づいてプロトロンビン時間が40%以下ないしはINR値が1.5以上を示すものを急性肝不全と定義する.成因には肝炎によるものと肝炎以外によるものがあり成因や病型によって治療法や予後が異なる.急性肝不全は内科救命率がきわめて低く,感染症やDICなど多臓器にわたる合併症を併発するため厳重な全身管理を要する.近年では発症年齢の高齢化により基礎疾患を複数有する症例も多く,全身管理の重要性が増している.肝移植のみが唯一救命率を向上させる治療法であり,非専門医療機関においてはPT値等を適切に評価し,専門医療機関への移送の時機を逸せぬよう注意する.
©Nankodo Co., Ltd., 2017