発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017199021
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著者らの報告(83歳男)を含めたAcinetobacter市中肺炎の文献報告9例について臨床的検討を行った。男6例・女3例、平均62.2歳で、7例が60歳以上、若い患者2例はアルコール飲酒者であった。7例が基礎疾患を有し、心疾患4例、慢性閉塞性肺疾患、肺癌、喘息、肺結核、等が各1例ずつであった。喫煙者は6例で、アルコール飲酒者は3例であった。初発症状は発熱8例、呼吸困難6例、咳4例、意識障害3例、食思不振2例、等であった。血液培養は陽性6例、陰性2例、不明1例であった。Acinetobacterの菌種はA.baumanniiが6例、A.lwoffiiが2例、不明1例であった。画像所見は全例が大葉性肺炎で、急速に多発浸潤影に進行していた。3例が白血球1000/μL未満、4例が血小板10万/μLであった。入院時は6例がショック状態で、5例が入院1週間内に死亡した。死亡原因は敗血症から播種性血管凝固症候群、多臓器不全を合併したためであった。抗菌薬の感受性試験では、全例が多剤耐性Acinetobacterを否定された。
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