発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006153657
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
29歳男.1996年に腰椎堆間板ヘルニアの摘出手術をうけていた.2000年春,再び腰痛が出現したため近医を受診し腰椎MRIにてL1及びL2椎体に信号変化を指摘された.2001年より発熱が続き呼吸困難が出現したため救急病院を受診し,胸部X線像にて左上葉に空洞を伴う陰影と粟粒影,胸水が認められ結核の疑いで入院した.喀痰PCR検査で陽性を示し,胸水培養にて結核菌を認めたため結核専門病院に転院し,イソニアジド,リファンピシン,硫酸ストレプトマイシンによる化学療法を開始した.一度退院し外来治療を続けていたが同年10月,左腰部の腫脹を自覚し,腰部CTにてL2/L3の脊柱カリエス及び左腸腰筋膿瘍と診断され手術目的で入院した.手術はTh11/Th12から左外側アプローチで展開し,腸腰筋膿瘍を切開排膿し,椎体内の不良肉芽や腐骨を掻爬した.インストルメンテーションによる脊椎固定や骨移植は行わなかった.術後1週でドレーンを抜去,2週で傾斜台による立位訓練,3週から歩行訓練,3週から歩行を開始,術後5ヵ月で退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006