いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第4章)膠原病・リウマチ・アレルギー
全身性エリテマトーデスにおける真の治療ターゲットは何か
藤井 隆夫
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1和歌山県立医科大学 医学部リウマチ・膠原病科学講座
キーワード:
抗核抗体
,
エリテマトーデス-全身性
,
MRI
,
B細胞
,
T細胞
,
CD20抗原
,
ループス血管炎-中枢神経系
,
Rituximab
,
Epratuzumab
,
Sialic Acid Binding Ig-Like Lectin 2
Keyword:
Rituximab
,
Antibodies, Antinuclear
,
B-Lymphocytes
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
T-Lymphocytes
,
Antigens, CD20
,
Lupus Vasculitis, Central Nervous System
,
Sialic Acid Binding Ig-like Lectin 2
,
Epratuzumab
pp.1054-1057
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044833
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全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)では多種類の抗核抗体産生が認められ,それが診断・治療方針決定・疾患活動性のバイオマーカーとなっているが,血清中抗核抗体の除去のみを行っても必ずしも十分な治療にならない.SLEにおけるT細胞抑制療法としてすでにtacrolimusの有効性が証明されているが,病態とより密接に関与する病因的意義を有するT細胞サブセットのみをターゲットとすることが望ましい.B細胞抑制療法としてrituximabの有効性が示唆されているが,現時点で保険適用がなく,重篤な感染症にも注意が必要である.単一のサイトカインのみでなく,多数の可溶性メディエーターを組み合わせることでSLEの再燃を予測しうる可能性があり,病態によってはこれらが治療ターゲットになる可能性がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015