2015年の白血病診療-一般外来での初発症状から長期フォローアップまで 白血病治療の合併症
発熱性好中球減少症
冲中 敬二
1
1国立がん研究センター中央病院 総合内科
キーワード:
抗細菌剤
,
白血病
,
寛解導入
,
ケアマネジメント
,
診療ガイドライン
,
細菌薬剤耐性
,
好中球減少症-発熱性
,
病態生理
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Leukemia
,
Remission Induction
,
Practice Guidelines as Topic
,
Case Management
,
Drug Resistance, Bacterial
,
Febrile Neutropenia
pp.253-257
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015323339
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発熱性好中球減少症(FN)は,内科エマージェンシーであり,早急に抗菌薬の投与を開始する必要があると同時に原因精査を怠らないことが重要である.経験的治療薬としてcefepimeなどの広域抗菌薬が推奨されるが,抗菌薬の選択においては感染臓器・微生物を推定することに加え,所属施設におけるアンチバイオグラムや耐性菌の動向を把握しておくことも重要である.FN下で発熱が続く場合に抗菌薬をやみくもに変更することは厳に慎むべきで,耐性菌関与の既往や全身状態が悪化傾向の患者などの状況を除いて,関与が疑われる感染臓器や微生物情報にもとづかずにより広域な抗菌薬へ変更することは避ける.やむをえず一時的に広域抗菌薬に変更する場合には,今後de-escalationするための方針をあらかじめ検討し,そのために必要な微生物情報などを各種培養検査などで集めておく.好中球減少が長期にわたる場合には,深在性真菌症も念頭に置く必要がある.
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