頭痛・めまいの診療 確実な診断・治療をするために今必要なこと
頭痛はここまで解明された その病態にせまる
竹島 多賀夫
1
,
今村 恵子
,
佐久間 研司
,
中島 健二
1鳥取大学医学部附属脳幹性疾患研究施設 脳神経内科
キーワード:
Serotonin
,
イオンチャネル
,
水道組織周囲灰白質
,
皮質拡延性抑制
,
三叉神経
,
脳循環
,
片頭痛
,
頭痛-緊張性
,
チャネル病
,
片頭痛-片麻痺性-家族性
Keyword:
Cerebrovascular Circulation
,
Ion Channels
,
Migraine Disorders
,
Periaqueductal Gray
,
Cortical Spreading Depression
,
Serotonin
,
Trigeminal Nerve
,
Tension-Type Headache
,
Channelopathies
pp.831-838
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009197975
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
片頭痛に代表される一次性頭痛の病態が神経科学の進展に伴って進んでいる。片頭痛の疼痛は三叉神経血管系の神経原性炎症が中心的病態であり、片頭痛前兆は皮質拡延抑制(cortical spreading depression:CSD)がその本質であることが明らかにされている。家族性片麻痺性片頭痛の原因遺伝子が明らかになり、イオンチャネルの異常とCSD閾値の変化が注目されている。CSDにはグルタミン酸の代謝異常が重要な役割を果たしている可能性がある。片頭痛をチャネル病と捉える提唱もなされている。これまでCSDと神経原性炎症は独立したパラレルな現象と考えられていたが、プロテナーゼなどを介してCSDが神経原性炎症のトリガーとなる可能性が注目されている。今後の研究のさらなる展開と新たな治療薬の開発が期待されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009