これだけは知っておきたい! 内科医のための栄養療法 実地臨床で遭遇する栄養管理
がん終末期
伊藤 彰博
1
,
東口 高志
,
大原 寛之
,
岩田 正己
,
中川 理子
1藤田保健衛生大学 医学部外科・緩和医療学講座
キーワード:
悪液質
,
栄養障害
,
緩和ケア
,
腫瘍
,
腹水症
,
ターミナルケア
,
輸液療法
,
末期患者
,
栄養管理
,
腹水濾過濃縮再静注法
Keyword:
Ascites
,
Cachexia
,
Neoplasms
,
Nutrition Disorders
,
Palliative Care
,
Terminal Care
,
Terminally Ill
,
Nutrition Therapy
pp.73-77
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015060515
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終末期がん患者が陥る栄養障害は,栄養管理や治療に抵抗し,がんの進行に伴う著しい筋肉減少と体重減少を主徴とする代謝異常である悪液質(cachexia)が深く関与している.悪液質は,pre cachexia→cachexia→refractory cachexiaの3段階に細分化されている.refractory cachexia(不可逆的悪液質)状態は,栄養投与に反応しない段階と定義され,エネルギー消費量が逆に低下することも実証されている.終末期がん患者に対しては,栄養障害の要因を十分に把握し,適切な栄養管理を実施することが,QOLの維持・向上に直結するため,緩和ケアNST(nutrition support team,栄養サポートチーム)の活動がきわめて重要であると考えられる.
©Nankodo Co., Ltd., 2015