高血圧症 臨床の要点-JSH2014を踏まえたエキスパートからの提言
デバイス治療 腎交感神経デナベーション,圧受容器反射刺激治療,迷走神経刺激治療など
廣岡 良隆
1
1九州大学 医学研究院先端循環制御学
キーワード:
レニン-アンジオテンシン系
,
交感神経切除術
,
高血圧
,
臨床試験
,
圧反射
,
迷走神経刺激療法
,
腎神経
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Hypertension
,
Renin-Angiotensin System
,
Sympathectomy
,
Baroreflex
,
Vagus Nerve Stimulation
pp.477-483
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015034364
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交感神経活性化が高血圧の病態で重要な役割を果たしていることがあらためて認識されてきている.とくに腎交感神経活性化は鍵となっている.腎交感神経活性化は高血圧の病態における腎臓の重要性,つまり体液量貯留とレニン-アンジオテンシン系活性化と密接にリンクしている.交感神経活性化をターゲットとしたデバイス治療として,腎交感神経デナベーション(RDN)と圧受容器反射刺激治療(BAT)が開発され,臨床試験が行われている.RDNは,カテーテルを用いた腎動脈内からアプローチするアブレーション治療である.ごく最近米国での偽手術群と比較するランダマイズ試験によって,安全性は確認されたが有効性が示せなかったため,今後の動向が模索されている.BATは,中枢神経を介した動脈圧受容器反射による交感神経抑制治療である.現在,改良されたデバイスによる臨床試験が進んでいる.迷走神経刺激治療は,頸部迷走神経に刺激電極を植え込み,副交感神経を刺激する治療である.心不全をターゲットとして臨床試験が試みられている.
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